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小林よしのり
2016.4.8 03:58メディア

また転向した中西輝政


産経新聞の「正論」欄で、中西輝政がまた自分の従来の主張を

顧みないテキトーな批評を書いている。

「『妖怪』生んだ米国の戦略的過ち」というタイトルだ。

中西は「ニューズウィーク」の論説を肯定して、現在の米国の

サンダースやトランプの「孤立主義」を、湾岸戦争からの米国の

戦略的過ちのせいだと結論付けている。

 

中西輝政は湾岸戦争に反対していた。

ところがイラク戦争になると、いつの間にか親米保守となって、

岡崎久彦と一緒に「イラク戦争支持」を主張し、

二人で「小林よしのり批判」を行っていたのである。

 

わしは湾岸戦争もイラク戦争も、一貫してアメリカを批判し続けた。

だが、中西はイラク戦争で「転向」、

そして今また「米国の戦略的過ち」として、

「転向」しているのである!

要するに「風見鶏」なのだ。

風邪の強い方にフラフラ自分の顔の向きを変えているだけなのだ。

 

「ニューズウィーク」は、湾岸戦争と「911」同時テロ、

そして2003年のイラク戦争が一体のものだと主張している。

次のように。

「ハイテク兵器の精密攻撃で、あっという間に片付いたはずの

(湾岸)戦争がこれほど長引くなどと、25年前に誰が想像した

だろうか」

 

湾岸戦争で「アメリカ一極の時代」を確立したと言われていたが、

ジョージ・ケナンはブッシュ(父)政権を批判し、

さらにNATOの東欧への拡大も批判していた。

「プーチンのロシア」を招く結果にしかならないからだ。

 

確かに米国の戦略的過ちが、世界を不安定化させ、テロの大波を

生み、米国の「孤立主義」に終息した。

だが一貫して親米、従米路線を主張し続けた産経新聞、読売新聞、

自称保保守派&ネトウヨ、そして自民党政権に、現在の米国の

「孤立主義」を批判する資格もなかろう。

今は必死で米国に抱きついていくしかない、そう思考停止した

従米保守派は、ミスリードした自分たちの過ちを認める勇気も

すでに失っている。

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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